百猫物語 (ひゃくびょうものがたり)

  野良猫との出会いや保護活動の過程で、不幸なまま救えなかった猫たちへの懺悔・・・・・   そして、保護して本当に幸せなのか、愛情がわいて手放せない猫たち・・・・増えていく猫たちと家族になった私の日々を綴る。

第一話  月夜の天使猫


その白い子猫を見た夜・・・胸が高鳴りました。 
高い塀の上に、白い小さな天使が座って居たのです。

夜、猫の居る風景
青く濃い夜空に月光を浴びて白い子猫は輝いていました。

私は自然に涙が出てきて・・・なんとなく理解しました。
野良猫の多いアパート地域、道には母猫と思われる猫が居ました。

飢えているのか・・・母の帰りを待っているのか、高い塀の上に座る子猫(綺麗)
(可愛い)「でも悲しそう」に見えた・・・
自分の無力さに悔しい思いが(こんな時、いつも)込み上げてきました。
無責任なエサを与えるのは、返って可愛そうです。
しかし、もし今夜のエサ一握りで・・・元気に朝が迎えられたら・・・
「明日は良い事があるとイイね」ウチの猫の為に買ったエサを少し置く事しかできませんでした。


ある日の夕方、同じアパート地域の道に、同じ親子猫を見掛けました。
小さな天使は少し大きくなって、すばしこい動きの用心深い野良猫に成長していました。
まだ小さい猫ですが、厳しい野良の生活が逞しくさせたのでしょう。

用心深く無いと野良として生きて行けないから「良かった・・・」
でもメスなら避妊手術はしないと・・・また子猫が増えたら大変だし、この子も家族がいたら今後食べて行けないだろう、本人だけならなんとか生きて行って欲しい。

当時(今も)私は、保護した猫やら里親に出せない猫を抱え・・・
家には、かなりの数の猫が居候していて、余裕が無いのに、なぜかアチコチで不幸そうな猫に出会いました。
飢えてガリガリになり、道で私があげた・・・たった1本のカニカマをガツガツ食べたチャア坊。
野良猫と喧嘩して、化膿し出血していたので、治療のため保護したアッコちゃん。
公園で虐待を受けて死んだ黒猫の姉妹(美人の)不二子。 等々・・・
ウチはリリース出来ずに、ついそのまま飼っている猫で一杯な状態でした。
「白い天使」逞しくなった天使を保護するには、気持ちに余裕が無かったのに・・・後で悔やみました。


数回しか見掛けなかった白い天使猫には、本当に謝ってばかり・・・ごめんなさい・・・
「ごめんね、何もしてやれなかったね」といつも思い出します。
あれから1年は過ぎて、全く会わなかったね・・・

白い天使は、消えました。
いつ消えた、とか、何があった、とか、全く分からず。
ただある時期から、何時行ってもどこか居そうな家の隙間やいろいろ探したのに、見掛けなくなりました。

探すつもりが無くたまたま見掛けた事があり、元気だな・・・と安心した日も有りました。
見掛けて保護を躊躇したらダメなのです。 野良猫は次は無いと思わないと・・・
「次は無い」と思ってウチに増えた猫を考えると、保護優先も焦りすぎ・・・と知人に注意されます。
しかし事実、白い天使は消え、それを悔やんでいる自分が居ました。

事故で亡くなったか、何があったか・・・今も時々その道を通ると、あの塀の上を見てしまいます。
誰も何も感じない、そのコンクリートの塀は、私には(胸がキュンと)想いだすと涙が出てくる塀になりました。

あの光景は美しい絵画でした。 
あんな綺麗な月夜に「小さい天使みたいな白い子猫が居ましたよ」って誰かに言わないと、辛くなっています。

この数ヶ月いろんな場所で野良猫に出会い、保護したり保護を手伝ったりしてきたのに・・・
本当は助けられなくて、何も出来なかった猫がいました。
白い天使猫が、どこかの家で大事に可愛がられているかも・・・などと、都合良い夢はみません。
(そんな気がしないのです)
逞しく、すばしこくなった野良猫は、なかなか飼えないものです。
誰かが飼っているとは、考えにくいのです・・・

天使は消えた、天に召された。
白い天使猫に謝りながら、また野良猫に出会って行きます。
これから何をするにも、ずっとあの月夜の光景は頭から離れないと思います。

地道に、一匹でも野良猫の力になって行きたい・・・
「ごめんね、何も出来なかったね」と、言わない様にしたいと願います。
きっとずっと(野良猫と)関わって、微力ながら支えて行きたいです。



★最後までお読み頂きありがとうございました。★
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