
職場近隣の駐輪場にいる黒猫ちゃんは、鼻水がまだ垂れていた。
とりあえず治したいから自宅猫の薬を飲ませる為に、仕事帰りにウエット餌に薬を混ぜながら駐輪場に居た私・・・黒猫ちゃんはおりこうで「エサをくれるな~」と、わかったみたいで近づきつつ自転車の下に身を隠す慎重派だった。
野良は慎重な方がイイ・・・人懐こいといたずらされる事もあるから。
少し離れた所に薬入り餌を置くとすぐに食べ始めた。

そこで気がついたのが「塀の向こうの人」ずっと私の様子を見ている(犬のお散歩中らしい)犬も居る。(もしかして黒猫のエサやりさん?)声を掛けてみた・・・
私 「黒猫ちゃんの様子が良くないから、薬をエサに入れましたよ。治ったら来ませんよ私は、風邪が心配なだけですから」
犬と一緒のその女性は嬉しそうに言った
女性「ああ、そうですか薬・・・良かった、ありがとうございます。心配で犬の散歩にいつも気にしていました」
私 「いつもカリカリに蟻がたかっていますが、ちょっと多すぎませんか?エサをあげるのは良いですよ、野良猫が頼りにしているから、でも多いとゴミになるから、クレームが心配です」
エサを注意する気はしなかった。
あの黒猫がそのエサを生きる糧にしているのに、止めろとは言えない。むしろエサをくれる人がいて良かった・・・と思っていた。
女性「私は時々しかあげてませんが、結構大勢がエサを置いているみたいですよ。いつも残っていますから。先月は居なかったんですよ・・・あの子、最近急に現れたんですよ。先週かな?それまでは居ませんでした」
( 捨てられたのかしら )女性はそう言った。
捨てられたのか?迷子か?わからないけど「ある日突然住み着いた黒猫」この子は街をうろうろしたと思う。
あちこち歩いて、たまたま此処で大勢がエサをくれて、良い場所だから・・・って此処に落ち着いたんだろうな、猫も生きる為には考えているんだ。
女性に聞く限りでは、あの多すぎるカリカリは別の誰かが置いているらしい、また鼻水が治らないから、明日も寄ろう・・・少し事情が聞けて良かった。食べつくした黒猫ちゃんの様子が満足げで、嬉しくなった、すぐに風邪は治りそうにない。
「たくさん食べて早く治そうね」黒猫ちゃんへさよならをして帰路へ。
何日か掛かるけど治ったらそれで良い、後はあまり口を出さない様にしよう、餌は貰えるんだもの。
この子は一人ぼっちじゃないんだ。 (続く)

★有難うございました。おじさん、次回登場ですね。宜しくです★

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