

田舎では猫を飼った事が無い私が、初めて抱いた猫はチロ君…
自分の猫ではありません。お隣りの猫ちゃん。
近所のアイドルであちこちを訪れる度に餌を貰い可愛がられる人気者でした。

私がその街へ引っ越した日、荷物整理をしていると、窓から猫が覗き込みました。
人を怖がらず懐こい子。自分の縄張りに来た新入りの私を見張る猫。
ある日私の部屋へ入りこむ猫を見て、恐る恐る頭を撫でました。
柔らかくて可愛かった!
新入りを歓迎してくれたチロ君…それからはペットショップで餌を買う楽しみができて、毎晩餌を食べに来るチロ君を抱っこして、二人でノンビリ過ごす時間は、私を癒しました。
猫にはヒーリング効果があるのでしょうね?
「チロ君はお姉さんが好きだから、遊びにいかせてね」
と、お隣りさんにも言われ、夜はずっと一緒。
でも毎晩11時過ぎはお隣りさんへ帰りママさんと寝る利口な猫でした。
年末に会いに来た時に、11時に帰るチロ君が振り向きました…
「さようなら…」いつもと違う・・・
永遠の別れを予感して、その日は後ろ姿を見送りました。
お正月がくる度に思い出すのは、新年の家族に見守られ動けなくなった老体。
チロ君は16歳でした・・・水を一口飲んで、ママに抱かれて亡くなった・・・
と、ママさんから電話を貰った事は、今も忘れられません…涙で回りが見えなくなって・・・
電車に乗り込み、実家からチロ君に会いに東京へ戻ったあの日。
目を腫らして、遺骸を撫でて
「さようなら、有難う、もう抱っこ出来ないね…大好きだよ」と贈った言葉は空に消える…
あんな可愛くて人懐っこい猫に初めて出会い、嬉しい日々を過ごしました。
猫に関わる一歩目の思い出は、チロ君の温もりでした。
野良の子チロ君は愛護センターに捕獲され、数日後には殺処分の運命だったと聞きました。
優しいママさんの子供たちが「白い可愛い子猫」をセンターから貰い、箱に入れて、電車に乗り連れて帰りました…家族と近所に愛されて16年も生きた、幸せな猫。
一歩間違えたら殺処分です。運命とは愛情で変えられるのかもしれない?

そんな、ある猫の一生で…ひとつの命の重さを教えて貰いました。
私にはずっと、初めて抱いた猫の温もりが残っています。
お星になったチロ君へ「 ありがとね 」

★有難うございました。良かったら、ひとつ宜しくです★
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